マッコウの海・小笠原 水中写真に参考になる本4

 
水中写真の参考になるというか
ハリ魔王にとって、とっても、複雑な気分になる写真集を紹介したいとおもう。
 

マッコウの海・小笠原―宇津孝

イメージ 2
 
 
この写真集も絶版である。
 
発売の時、
一冊、本人からお礼状と共にいただいた。
 
お礼をされる様な協力が、本当にできたか?
逢いたくても、逢えなくなって、初めて気づかされた。
 
もう、この世に彼がいないので、彼の新作を見る事はできない。
 
彼とは、
やはり、旧マウイ浦和店時代
ダイビングブームで、ダイビング講習が、忙しい頃
出入りの業者だけでは、講習が間に合わず、
この業者が、
とにかく誰でもイイから、
NAUIのインストラクター資格者を集めた。
 
その中には、
自由人だがすばらしい人から、
女たらしのクズまで、本当に、色んな人間がいた。
 
 
その中で、
ダイビングに対する真摯な姿勢から、

スグに仲良くなった人の一人に、「宇津孝」がいた。

 
昔の習慣で、彼を書く時、彼を人に紹介する時
使用者と、スタッフの関係で、こう呼ぶ癖がついている。
 
 
大抵の人間は、
自分の当時の役職と、
周りに流れる噂から、怖がられていて、
ハリ魔王に、意見を言う人間は、そんなに居なくなっていた。
 

「宇津孝」は、ドンドン、物を言うし

良く、水中写真の技術や、撮影機材の話で、盛り上がった。
当時から、好奇心旺盛な人だった。
 
いつでも、逢いたいと思えば、あえる関係だった。
 
しかし、
酒を飲んで、愚痴を言う為の相手ではない。
 
目標は、一緒相手
 
彼が、写真の為に、
小笠原に戻ると聞いた時も、
店の事を考えれば、有能なスタッフを失うわけだから、
留任するのが筋なのだが、むしろ、うれしかったのを覚えている。
 
この時、
留任に失敗した
出入り業者の代表は、
逆に彼の事をクソミソに言いたので、
コイツは、やはり、人として駄目な人間だと再認識したのを覚えている。
 
 
自分も、いつかは、「夢をかなえたい」と考えていたから
 
その後、
マウイに大きなトラブルがおき、
人の付き合いを優先している頃
 
彼が、
この写真集を持って現れた。
 
正直、
うれしいのと
何故か、悔しいのと、
自分の不甲斐なさを感じさせられた瞬間
 
この頃の自分は、
コンテスト歴もそれなりにあるし、
ダイビング雑誌に、水中写真を使われるほどには、なっていた。
 
彼の写真は、
そんな、規模の自分のレベルを大きく超えていた。
 
フィッシュアイレンズで、
ザトウクジラに近づいて撮影している距離が近い
そして、
このカットに
 
イメージ 1
心を奪われた。
ザトウクジラと、バンドウイルカが一緒に写っている。
 
次のページには、
 
イメージ 3
自然なバンドウイルカの群れ
この構成にヤラレタと感じた。
 
小笠原のワイド写真は、流石と見ながら進めて行く
途中から、
マクロの使い方は、自分の方が上と進めて、
このページを開いた瞬間
 
イメージ 4
参ったー!!(゜ロ゜屮)

当時、サンゴの産卵写真は、
数名の水中カメラマンが、成功しているだけ
そのすべてが、
卵がサンゴから出る瞬間をマクロ撮影で表現した物
ハリ魔王も、そのタイプを撮影して、発表していた。
 
それを
フィッシュアイで撮影して
海いっぱいに、卵が広がるのを表現するとは
 
続く
ページには、

 マッコウクジラの映像が、
イメージ 5
 
これでもかと、
 
イメージ 6
こんな近づいて、
コンだけ、
自然なカットは、現在まで、見た事がない。
 
 
ただ、気合だけでは、撮れない作品
 
鯨の撮影の危険度は、
意外と一般には、知られていないが、
かなりのリスクがある。
 
コレだけの作品を残すという事がどういうことなのか
 

「宇津孝」を最後に見たのは、

御蔵島で、小船の上で下を向いている姿
 
自分は、
三宅からゲストを連れて、
イルカに、あいに来た時
 
「宇津」と、大きな声で声をかけた時、
こちらに、
手を上げて答えたのが、彼を見た最後になってしまった。
 
さて、
ハリ魔王は、
彼ほど、限界ギリギリまで、被写体にせまっているだろうか

彼の作品群などに、
影響を受けて、チャレンジする一般ダイバーがいるが、
それがどの位危険な事か、本当に、理解しているだろうか
 
同じ様に、撮影するのに、生死がかかる生物がいくつかある。
 
今回の参考になる本は、
参考にして真似をしてほしくて選んだのではない。
 
本当に、人に真似のできない努力の先に、プロまでもがうなるほどの世界があった。
 

「宇津孝」は、それを手に入れた。

 
でも、
その為に、失ったものは。。。(_ _)σ∥
 
安易な気持ちで、真似事をしないでいただきたい。
 
ハリ魔王本人は、
この「マッコウの海・小笠原」を見と、
自分の器の小ささを感じる。
「宇津 孝」嫉妬をする。
 
そして、
本当に、撮りたい瞬間に、
そのコンプレックスを残して、まい進する事にしている。
 
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