バンガイカーディナルの移入問題 レンベIN 魚露目8号撮影

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自分の「ハリ魔王の気まま、ダイビング水中記」が、
にほんブログ村 水中写真の人気ランキング1位にある内に、
どうしても、知っていただきたい事があります。
なるべく、たくさんの人に、
この事実を知っていただき、この風潮について、考えて欲しいからデス<m(__)m>

少し、思い入れが強いお話しをするので、
いつもと調子が狂うと思いますが、ご勘弁ください<m(__)m>

レンベ海峡に、今日の主人公である、
バンガイカーディナルが、いるらしいと知ったのは、
今から、10年以上前
非常に、違和感を感じたのを今もはっきりと覚えている。

この時期の数年前
NHKの動物特集で、
横須賀市自然・人文博物館の館長 林 公義博士が、
ワザワザ、
インドネシアのレンベ海峡もある、スラウェシ島モナドから、200km以上も離れた
イースト半島東部の沖(バンダ海)にあるバンガイ諸島(Banggai Islands)の二番目に大きい島である、バンガイ島(Banggai Island)にチャーター船に、数十日間乗船され、行かれて取材をされた。

林 公義博士が、
ここまでされたのは、ご専門であるテンジクダイの仲間で、新発見があったからだ。
元々、先生がご研究のこの仲間は、オスが、卵を口中で、育てる口内飼育で有名である。

しかし、このバンガイ島に発見されたていた、
カーディナル(テンジュクダイの仲間の総称英名)は、幼魚まで、口内で育てるという。
この幼魚まで、育てると言うのは、環境の厳しい場所の淡水魚の特徴で、
海水魚では、新発見であった。
現在も、このバンガイカーディナル以外では、この生態行動は、海水魚では見つかっていない。

その様な繁殖戦略は、自分も、聞いた事がなくワクワクしながら、
このNHKの特集を見ました
もちろん、
詳しく知りたかったので、ビデオに録画して、繰り返し観ました。

それから、しばらくして
次のシーズンに向けての旅行社の募集で、
このバンガイ諸島に向けて
チャータークルーズ船が出る広告がダイビング誌に掲載された。
費用は、約60万円で、計二回の航海予定だった。
金額は、頑張れば捻出できたが、この日程が、どうあがいても、無理な日程であったのを記憶している。
その上、自分を誘った人間の減圧症の発症も重なって、参加を断念した。

それ以後、
定期船も、チャーター船も、バンガイ島へのクルーズは、告知されなかった。
値段に対して、コレを見に行くダイバーが、集められなかったのだろう。
そして、911テロ後のこの島周辺地域の治安の低下が、それを後押しした。

それから、
数年後、レンベ海峡に、見られるらしいという噂が流れた。
林 公義先生が、
苦言を書いたダイビング誌コラムで、自分は、確信した((ノ ̄■ ̄)ノアウアウ

誰かが、移入をしたとorz

移入とは、本来、いない生物を誰かが、産業等の為に、放す事を言います。
外来種ではなく、国内から、国内でも、元々、いなかった場所に放すことを移入といいマス。
最近の話題、
クニマスが、この移入に、よって、偶然、絶滅を逃れたとニュースになりました。
少し前の日本では、移入は、平気でどこでも、行われていました。
いいえ、正しくは、毎年、日本の内水面(川・湖など)では、今も、各地で、合法的に行われています。


モナド周辺のリゾートの調査を引き受けたのは、
実態調査をしたかったから、

当時、移入の原因と考えられたのは、2つ

一つは、漁民による事故説
観賞魚用の魚を調達するフィッシュコレクター船の遭難又は、
密漁業者が海上警察に、だ捕されて、
その証拠品の魚である、本種を海に投棄した為という仮説

もう一つは、
信じたくありませんが、
クルーズに行った船のダイバーが、持ち帰って、放したという仮説

繰り返し、長い期間、現地に通い、
海の中での生物の見せ方、探し方など
自分のガイドテクニックを見せて、
夜の付き合いを誘われるまでになってきて、色々な事がわかってきました。

まず、初めに、
当時、バンガイカーディナルがたくさん見られたポイントは、
ポリスピアというポイントだった。
ここは、海上警察が、だ捕船を抑留する場所である。
抑留されるのは、不法に、国境を越えて、密漁をするフィリピン船と、
漁獲制限量を超えて、マグロ類を獲った船であるという事。
抑留船は、その罰金を雇用企業が払えない船で、
コレクター船は、一艘もつかまっていない事。
まずこれで、密漁船説は完全に消えた。

また、
自分が、フィッシュコレクター船に興味を持ったお蔭で、
この船が来た時に、レンベリゾートの当時のスタッフが、教えてくれて、
その船の側まで、行く事が出来た。
このインドネシアに来て、初めてみるタイプの船であった。
ローカル漁業船ではない日本の遠洋船の様な近代的な船であった。
こんな大型船が、静かな自然の要塞に使えるような、
ビテゥン港で、遭難沈没は、考えにくい。
このクラスが、遭難するほど海が荒れたなら、
レンベの小さな漁船が、大量に、沈むはずだ。

ポリスピアの隣にある観賞魚集積所、
レンベリゾートの奥に位置する村の集積所を回り、
地元コレクターから、魚を買い上げていく。
この船は、
バリから、マサッカル海峡側から来ていて、
スラウェシ島を一周して、同じ様に、観賞魚を買い集めるという。
そう、レンベ海峡で買い上げた後に、バンガイ島方面に、向うというのだ。
さらに、モナド空港は、
インドネシアでは、ド田舎の空港で、国際線は、ほとんど就航していない。
観賞魚の輸出基地としては向かない。
その証拠に、レンベの一番大きな集積場のイケスには、
一匹も、バンガイカーディナルはいなかった。
日本でも、高値で取引されるレンベ産らしい魚と、
バンガイカーディナルより、ペットとして値段の張る生物ばかりだった。

インドネシアで、海水魚の輸出基地として、
最も有名な、バリから、バンガイカーディナル(商品名プテラ)を輸出する方が、
コストを考えても、得であるといえる。
また、通常、
ハンガイ島ほうが、集荷が
後だと言う事を考えると、
輸送中、弱った個体を捨てた物が、偶然が、重なって定着する事も、考えズライ。


悲しいが、ダイバーが犯人の様に、思えてきた。
しかも、自分が仲良くなった人間の中にいる可能性が高い。
レンベのリゾートで働く人たちは、
インドネシア人の中でも、温厚で人のいい印象の人が多い。
心優しく、この国の人としては、知識レベルの高い彼らを疑うのは、悲しい。

しかし、調べていくと、
当時、既に、ガイドを引退している人から、
遠まわしに、聞くことが出来た。
やはり、チャーター船を出した船会社が、最も疑わしいそうだ。
夜間、良くこの場所の沖に、停泊しているそうだ_| ̄|○ il||li



ココまで、取材した事を
当時、某ダイビング誌でのレンベの連載で、
原稿と、ポリスピアで、大繁殖している事を写した写真を掲載してほしく渡した。
しかし、その会社が、人手に渡り、
この企画は、お蔵入り、原稿も、写真も、自分の手元に戻らなかった。

現在は、ポリスピアは、警備上の理由から、潜る事が出来ない。
しかし、レンベのポイントに、広くバンガイカーディナルは、見ることができる。
この十年で、生息域を拡大している。
また、最新の情報では、レンベとは反対側のブナゲン側の某湾でも、見られるそうだ。
コレは、明らかに、おかしい。
距離的に、考えて、人間の輸送、密放流以外考えられない。

その他に、現在は、
バリのシークレットベイでも、見られる。
コレは、日本人経営のダイビングショップが立ち退いた後、
地元民が、コレクターの会社から、購入して放したものだ。
完全な移入の事実である。


全て、共通しているのは、
私たち、外国から来るダイバーを(。>0<。)
楽しませて、喜ばせて、お金を得るためヽ(;´Д`ヽ)(ノ;´Д`)ノ

その事実をもっと広くのダイバーに知っていただきたい。
考えてほしい(´;ω;`)ウウ・・・


今回の写真は、
10年前には、バンガイカーディナルが、見られなかったorz
TKポイントで、撮影した。
どうしても、明るい写真が撮れない。
そういう意味では、写真に、心の状態が出てしまう(/ω\)ハズカシーィ

陸上動物・淡水魚の移入問題は、少し調べれば、かなりの事例を調べられるだろう。

しかし、海の場合は、環境に、影響が出るまで、問題にならない。
今、一番の問題は、ホンジュラス周辺のミノカサゴの問題であろう。
コレも、白人ダイバーを喜ばせる為に、移入された物orz

それぞれの固有の海の世界を、
その場所の生活を含め、壊さないで、観られるダイバーになりたいと心より思う。








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